description

The marriage took place in secret.
She put on as many decorations as she could.
To make it look as gorgeous as possible.
Don’t make myself look as miserable as possible.

その結婚は密かに行われた。

彼女は寄せ集めるだけ集めて自分を着飾った。

できるだけ豪華に見えるように。

できるだけ惨めに見えないように。

あとがき

今回この絵を描いた始まりが、服を描きたいと思ったことです。とくだん服のデザインや柄を描くことが好きなわけでも得意なわけでもないんですが、服は絵の大部分を占めるので、世界観を構築しやすく、服のデザインで文化や風習、おおよその生息地も鑑みることが出来ます。

参考程度に様々な衣装を見て回りましたが、特別どこどこの衣装であると言及するほどでもなくて、強いて言うなら今回の羽織っている布に関しては「おばあちゃん家の毛布か座布団」をイメージしていて、昭和レトロのような少しノスタルジックで、ほんの少し低俗な雰囲気を出したかったところがあります。肌障りもいまいちで少し毛羽立ってるような、キッチュな質感を意識しています。

そして彼女の頭につけている大量の装飾品。

手縫いのビーズのオーナメントや、異国のお土産のような陶器の置物、チープな色味の造花などさまざまで、それらを伝統芸能やお祭りの際に使われる花笠のようにかぶっています。

笠は頭頂部にあることから天に最も近いもので、神のよりしろと考えられることが多く、彼女の決意や願いが込められています。

彼女が現在どこで暮らしているかは、この寄せ集めの品々や顔面のメイクで特定できないようになっていますが、ひとつ日本の「お正月飾り」がモチーフに入っています。

飾りに使用されている水引は縁結び、だいだいは一族の繁栄を願い、

お正月飾りは、神をお迎えするために本来は家の玄関につけるものです。

最後はどんど焼きで燃やす風習がありますが、いま頭につけているということは、現在お正月の最中なのか、燃やせない事情があったか、その風習を知らずつけているかのいずれかです。

あとから知ったのですが、椿の花言葉には「愛らしさ」や「誇り」のほかに

「罪を犯す女」という怖い意味もあるそうです。面白いですね。

彼女は自分の出来る限り、自分が惨めに見えないように、なるべく豪華に見えるように、様々な願いを込めて着飾りました。もしかすると、叶わぬ相手とひっそりと、2人だけの神の前で祝言をあげたのかもしれません。

古代、太陽神が広く信仰されていた時代は日曜日が礼拝日だったと言われており、占星術でも日曜が吉日とされ、その日に彼女は花嫁となることを選びました。

タイトルに使用されている「密」という字には日曜の意味があり、(※蜜・密)

国や文化など様々ではありますが、週の始まりは日曜か月曜が多く見られますので(主にアジア圏は日曜始まりが多い)

その始まりの意味も込めて「密」の言葉を入れてタイトルを決めました。始まりの言葉を使用せず、始まりの意味を込めたものにしたかったのです。

密かに祝言をあげた2人の生活が始まるのか、

結ばれなかった2人のそれぞれの生活が始まるのか

それは誰にも秘密なのです。

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