焼野の雉子【Yakeno no kigisu】

The bird, a pheasant, is a When their nests are burned,
these birds are so affectionate that they return to their nests to save their young. This image is expressed in the following.

キジという鳥は愛情深いので、巣が焼かれようと子供を助けるために炎の中に飛び込むと言われており、その様子を表現しています。

あとがき

まず今回の作品はフィジカルで、和紙に着彩して制作しています。

四角柱の枠を作り、面すべてに和紙を貼り、中に電球を入れて、内側から絵が光るよう灯篭作品として制作しました。

中の電球の設置はひとつなので、灯るような光が、炎を描かずとも炎を想起させるといいなと思ったからです。

「焼け野の雉子 夜の鶴」ということわざで、

descriptionに記載しているとおり、雉は野を焼かれると我が身を顧みず子を助けようと焼け死に、

鶴は霜の降りる寒い夜、自分の翼で子を覆って守ると言われています。

これは親は深い愛情で子供を思い、自らを犠牲にしてでも子を守るということのたとえです。

親の愛情を表現したかったというよりは、子を守るという習性が雉や鶴にもあるという点が面白かったから題材として選びました。

白抜きしている箇所は、ろうそくを溶かして描いており、

明かりを灯すと透けた表現ができ、技術的にも、染料のにじみを止める役割をしています。

背景はほぼろうそくで線描きしていて、モチーフは運命の歯車というか、逃れられない死を表しています。

この雉の羽根からこぼれ落ちる花は、焼け死ぬ子供を暗喩しているのです。

今回実物作品は燃やしています。

焼け野の雉子をリアルに体現出来ました。