description

Once upon a time, there was a lion who fell in love with a human girl.

The lion, completely smitten with her beauty and intelligence, asked her to marry him.

She didn’t want to marry a lion, but
Not wanting to offend the King of the Hundred Beasts, She thought about it and said

「I would be honored to be your wife, but
This soft skin of mine is more vulnerable than you think.
So let me cut your nails and fangs with these scissors.
Then I will gladly accept your offer.」

The lion loved her so much that he clipped his own claws and pulled out his fangs as she requested.

Having lost the threat, the lion was no longer afraid, so she refused his love.

Having lost their weapons, the lions could no longer even hunt their prey. 

【Blind love disintegrates itself. And it means that you must not let your guard down under any circumstances.】

Inspired by Aesop’s Fable of 「The Lion in Love」



 むかしむかし、人間の娘に恋をしてしまったライオンがいました。

とても美しく聡明な彼女に、すっかり夢中になってしまったライオンは、

彼女に結婚を申し込みます。

 人間の娘はライオンと結婚したくはありませんでしたが、

百獣の王を怒らせるわけにもいかず、考えた末、こう言いました。

「あなたに求婚されることはとても光栄ですが、

わたしのこの柔らかな肌は、あなたが思うよりもとても傷つきやすいのです。

そこで、このはさみであなたの爪と牙を切らせてください。

そうすれば、喜んでこの申し出をお受けしましょう。」

 

ライオンは恋する気持ちがとても強かったので、

言われたとおり爪を切り、牙を抜いてしまいました。

 もうライオンなんて怖くなかった娘は、思惑どおり

申し出を断ります。

 武器をなくしてしまったライオンはもう、獲物を狩ることさえ出来なくなってしまいました。



【…盲目的な恋は、身の破滅も隣り合わせにあること、そして敵陣では決して油断をしてはいけないことを暗示しています。】

あとがき

 以上ここまでが作品のdescriptionとなります。

イソップ物語の「恋に落ちたライオン」からインスピレーションを得た作品です。

実際のイソップ物語では娘の父親も登場しており、

ライオンに爪と牙を切るように提案するのは父親の方です。

 しかし登場人物の女性に、賢さと聡明さ、ライオンの前に立ちはだかる勇猛さ、そして少しの残酷さというかデモニッシュ的な要素を出したかったことから、彼女の台詞としました。

「爪と牙を切ってくれないと娘は渡せない。」

これが父親の提案となった場合、

父親からの庇護、守られるべき弱さ、無垢、純真さを娘に感じたことでしょう。

さらにはもしかしたら娘とライオンは実は愛し合っていたかもしれないという可能性も出てきます。

それはちょっと違うな?と腑に落ちなかったので前者の表現をしました。

 わたしはどちらかというと、ライオンの盲目的で愚かで純粋な恋心に胸を打たれたので、より哀れで被害者的な描写をしたかった気持ちもあります。好きになった本人にフラれ、さらには騙される!可哀想。

 装飾の花に百合の花を選んだのも、百合の花には「無垢」という花言葉があり、これはライオンに向けてわたしの主観的な気持ちを描いたものです。

そしておそらくこの絵の中で最も無関係だと思われる恐竜の骨。

ストーリーとしては無関係です。笑

 特筆すべきことでもないですが、わたしはたびたび恐竜を描いています。

その理由はもちろんただ単純に造形が好きだから。もしいま恐竜が生き残っていたらこの地球上の百獣の王はきっと恐竜だったことでしょう。

しかし、彼らは絶滅してしまった。

 現在百獣の王として君臨しているのはライオンですが、いまでもわたしの中で絶対的な凶暴さと強さの象徴であるのは恐竜です。

そして今回はそれを「骨」として描きました。暗喩させたいのは死と過去。

この強さは過去のものである、という意味です。

爪を切り牙を抜いてしまったライオンの未来の姿を予感させるのです。

https://foundation.app/@gaia-U/fables/3